2008年01月31日

広くて、美しくて、自由に泳げる、「海」。



1年前の今日、そんな海へ飛び込む気持ちで、市役所を退職した・・・。



最初は、冷たい水が気持ちよくて、新鮮で、この先の限りない自由と自分のペースで泳げる気楽さが心地よくて。
水を得た魚というのは、このことだとばかりに、泳いだ。

初めて出会う、人、モノ、場所。感動と気付きの連続。私についていた固定観念という「うろこ」が、新しい水によってぽろぽろと剥がされていった。


でも、ふと後ろを振り返ると、自分が育った大陸は離れ、遥か遠い場所となり。このまま泳ぎつかれて沈んでしまったら・・・。
目指す大陸は、蜃気楼のように、浮かんでは消え、どこへ向かって泳いでいけばよいのか分からず、ただ闇雲に泳いで疲れるだけの日もあった。


海には道がない。どこにでも行けるけど、どこに行くかは、分からない。海図も持ってないし、見方も知らない。
これまでは、道があった。分からないことは先輩に聞き、初めてのことは、仲間と一緒に考えた。
おそらくたどりつくであろう、目的地も見えていた。

進み方は、自分で探すしかなかった。周りを見渡しても、こんなヘンな泳ぎ方をしている人はいなかった。
自分の道をしっかり進んでいる人から言葉をもらい、目にした本を読みあさり、人の集まる場所に出向いた。
何が正しくて、正しくないのか分からない。いや、決まっていない。
だから泳ぐしかなかったのだ。








想像していたよりも、たくさんの出会い、感動。
そして、想像もしなかった、不安と孤独。
夜の海で、孤独に溺れそうになった。得体の知れない黒い塊が近づいてくる恐怖もあった。


でも、必死にもがき、泳ぎ続けると、必ず救いの手が差し伸べられた。

人が癒される瞬間に立ち会える喜び、自分の表現したもので、喜んでもらえること。
応援してくれる仲間。そして何があっても味方でいてくれる家族。



広くて深い海は、本当は狭くて浅い海なのかもしれない。
遠くて見えない大陸も、本当はすぐ近くにあるのかもしれない。

得体のしれない黒い塊は自分で作った架空の生き物なのかもしれない。

今は、まだ分からない。

でも一つ分かったことがある。
それは、


この海が好き。


大陸にたどりついても、また飛びこんでしまうと思う。


新しい出会いや感動、未知なる自分との遭遇。
ワクワク、いや、ゾクゾク。


だから今日も泳ぎ続ける。全身の筋肉を使って。
そのうち、このヘンな泳ぎ方も上手くなるだろう。

変化し続ける、水の温度と潮の流れに、身を任せつつ、時には水圧にぶつかってゆく勇気を持って。

明日もまた、
前に、
泳いでいこう。






アトリエリーフノート みやざき あゆみ  

Posted by ayumi at 12:43Comments(4)